今の仕事をしていて、多くの皆様に質問されることがあります。
「なんで今の仕事をしているの?」
「なぜこれをやろうと思ったの?」
「きっかけは何なの?」
やはり興味が湧いてきますよね。
なんでこんな変わったことしているのか。
私の他の人の立場だったら同じこと聞くと思いますし。
そこで、今回はその辺について簡単に触れたいと思います。
『何で生まれてきたの?』
一度は誰もが思うこの疑問。何の為に生まれてきたのか。そして何のために生きているのか。
もしかしたら幸せだから思う疑問なのかもしれません。
昔の人はそんなことを考える時間も余裕もなかったかもしれませんので。
でも私は考えてしまいました。
答がほしかった。
答とは、「何かをすればその理由に気付き、何かをすればその感覚を得られて、充実する。」
それを模索する20代でした。
20代は大学を卒業し、全国的に安定性の高い団体職員となりました。
農協です。
そこで何も考えず、お米や飼料を配達したり、組合員さんのお宅に行ってはお茶を飲み世間話をする日常でした。
ある時人事異動があり私は、外回りの職務に就くこととなります。
いわゆる農協の集金、共済、販売を一手に有する働き蜂のような存在。
そこで、成績と体裁の為の活動に流れ込みました。いろいろありましたが、ここでは割愛します。
ただ、自分の正義を貫くためにその職場を5年弱でやめる事となりました。
もっと人が喜ぶことをしたい。この頃からその様な礎はあったのかもしれません。
そこから怒涛の転職ラッシュ。30歳までの数年間で5回の転職です。
その全ては、何かをすれば何かを得られる。
何かとは、「幸せとか、成功とか、生きがいとか、生きる意味とか。」
それを前提としてすべての答えを外側に求めていた自分が居ました。
当時はその様な事には気付いてませんでしたが。
そしてその途中、ある会社に入ったとき、とうとう張りつめていた糸が切れたかのようにぷっつりと切れてしまった。鬱の始まりでした。そして外に出る事が出来なくなったのです。
人前で罵倒され、毎日脅され、物を投げられ。
しまいには、朝起きれなくなり、会社に行けなくなっている自分が居ました。
28歳の夏。9.11のあったあの年です。
逃げるように会社を辞め、そこから数か月の引きこもりが始まりました。
家では膝に飼い犬を乗せ、ぼーっと過ごす日々。
奥さんはパート。1日何をしていたのかさっぱり記憶がない状態です。
朝は絶望と共に目覚める毎日。何の為に生きているのか。
生きる目的を探している自分が、全く生きる意味さえ持てなくなっていた。
そんな中、私が現実に戻るきっかけがありました。
そのころ、妻のお腹の中には長女が居ました。
引きこもってから数か月後に、妻の誘いの元、ある所に旅行に行きます。
その時の宿泊先での出来事が私に大きなインパクトを与えます。
胎動。
初めての子供。初めての胎動。そこに感じた命の鼓動。
妻のお腹に手を当てて、弱弱しくも力強い胎動。
そんな些細なきっかけが、私を現実へと一気に戻しました。
命を感じた瞬間でもありました。
自分は父親になるんだ。この子の為に前を向いて歩こう。
そんなタイミングでもありました。
そして30歳の頃ある事に気付きます。
『外側に答えは無い!』
とてもシンプルな答えでした。
どんなに外側を探し求め、追い求めてもどこにも無いんだ。では、どこに?
それがそのころの命題でもありました。外にないのであれば、内側だ。
非常にシンプルだけど、大きな気付きでした。
『人のパターンについて』
何が言いたいのか。
今の世の中って、答えを外に求めたり、情報ばかりを集め、その外側の情報に振り回され自分を見失っていたり、誰かの意見や情報をそのまま鵜呑みにし、自分の思いや感覚を信用しなかったり。その様な人が非常に増えているととても感じてます。
身体の症状についても、何かをすればよくなる。お医者さんの言った通りにすれば大丈夫とその言動に左右される。施術をする人に委ね、自分で治ろうとするマインドを持たず任せてしまったり。
その様な現場を多く見てまいりました。
何かをすることで自分が変わったり、答えを外側に求めている限り、自分自身を信頼したり、治癒力が上がったり、人生を好転させることは非常に困難になる現場も多々あります。
周りの情報が多すぎると人は本来のあるべき姿が見えなくなる傾向にあります。
情報に押しつぶされ、余計混乱し、思考や感情が乱れてしまいがちです。
私のこの例は、あくまでも参考程度ですが、誰でも日常でその経験をしたり、現実を目の当たりにしたりするはずです。
私の場合、それだけ人生に対する焦りもありましたし、真剣に向き合おうと決めました。
その結果出てきた答えが、
『内側を知る』
という非常にシンプルな物でした。
すると様々なキーワードやメッセージが出てきます。
内側から湧いてきました。
その湧いてきたものは自分を突き動かす原動力になります。
内側から湧くので無限です。そしてそれは繋がりをもたらしました。
話を戻します。
その内側からのメッセージとは。
【まず自分を知る事こそ先決という事】
でした。まず行ったことは、『長所と短所を知る!』でした。
自分はそもそもどんな人間で、どのように今まで生きてきたのか。
今でこそ当たり前となり、その様なメソッドは本屋や、セミナーなどで検索すればいくらでも出てくるのでしょうが、その当時の私はその様な選択肢も、調べるという発想も、その方法も全くわかりませんでした。
分かっていたのは、
もっと自分を知り、自分が沸き立ち、自分が表現できるものを知りたい!という事。
その為には答えを外側に探す事ではなく、内側の自己の整理と自己認知にこそ鍵がある!
という思いでした。
『長所と短所』
初めて自分を知ろうとする作業が始まりました。
その為にまず、自分の長所と短所と特技、これまでのターニングポイント、起こった事、様々な事を書き出す作業を始めました。
すると出てくる短所と思われるキーワード。
長所「1」に対し、短所「9」
その様なバランス。
まず取り柄が無いことに気付いた。自分をその様に見ていたことにも気づいた。
そして思いました。バランスを取りたい。その為に、短所が長所になる事ってあるのだろうかと。
短所と思っていた自分の味方。その角度を変えてみた。
例えば優柔不断。
物事をきちんと見定め、慎重にこなす能力。
人見知り
人を見定め、人との距離感を摂るのが上手。
正解は無いので、自分の都合で良いのです。そうやってバランスが整い始めました。
そして気づいたこと。見る角度によって物事っていかようにも解釈ができる事と、それは個性としての自分でしかなかったという事。全ては自分で勝手に決めていたルールだったに過ぎないという事。
その作業を始め、少しずつ自信を持ち始め、自分の事が好きになり始めた。
自尊心が向上してきた。そうか、そんな自分でもいいんだ。
小学5年生の時、転校先でいじめられたことも。罵倒され、うつになり、引きこもった事も。
その経験が自分にはきっと必要だった。
そんな中、そこから出てきたキーワード。
「人の為に何かできる自分。」
人に寄り添い、人を励まし、人を勇気づけ、人に手を差し伸べる。
そんな自分でありたい。
その為に自分が目指す方向性。それは、【手に職を持った施術家。】
単純な発想。それが1~2年位かけて出てきた内側からのメッセージでした。
今度は行動、方向性を見出す必要があります。
施術家って?施しって何?
整体と思い、整体の資料請求、勉強、施術を受けたり。
何かが違う。
カイロプラクティック。
自分の道ではなさそうだ。
自分の道とは何かと内側に問いかけます。
【オリジナリティ。】
次のキーワードです。
独自性って何だろう?
何も知らないのにどの様に独自性を作るのか。
【中医学、漢方、陰陽五行、経絡。】
本を買ってみた。東洋の教えって何か。
漢方の薬効について調べた。
五行説が何なのかを少し垣間見た。
これは面白そう。でも、それは既にある学問。
また内側に問いかける。
すると出てくるキーワードは、【調和とバランスと融合、ワンネスの在り方】
「調和って何だろう?」
「融合って何と何の融合?」
そして出てきたキーワードが、
【ホメオパシー】でした。
およそ9年前の事。
とても面白そう。そして日本に導入されてまだすぐのころの話。
自分はホメオパスになる
その時そう思いました。
見えない世界。物質の様で物質ではない。人の潜在能力を引き出す。同種療法。
とても興味をそそられたのを覚えてます。
しかし、次に進みませんでした。
当時、ホメオパスになるには、4年生の学校に通い、400万円を捻出しなければなりません。
4年間の通学は難しそう。
そう思い、さらに内側に問いかけます。
するとそこで、キーワードが出てこなくなりました。
それまで問いかければ必ず出てきたキーワード。
それがピタリと止まってしまいました。
行き詰り。どうしたらいいのか・・・。
でもとても良い流れ。あともう1歩。でもキーワードが出てこない。
困り果て、焦っていた数日間を過ごしたのを覚えてます。
そしてふとある時、母にある雑誌を渡されます。
それは様々な見えない世界、波動の事を紹介している月刊誌。
こんな世界もあるんだ。そんな思いでその雑誌を眺めていた時・・・
あるページで手が止まりました。
A4の見開きです。
『これからの時代は、西洋と東洋の融合型の医療が主流になる。
その調和、バランスこそが目指すべき本来の医療の在り方。
西洋のホメオパシーの概念と東洋の鍼、陰陽五行の概念を融合させた一体型の新しいセラピーの在り方。』
これまで追ってきた全てのキーワードがその見開きに載ってました。
その世界観は、ミクロの量子論とマクロの宇宙との関連性。
その融合もうたわれていました。
分離ではなく、融合、ワンネスを目指すセラピーの在り方。
それを機械で客観的に調べ、施術を施す。
「日本初!次世代型最新機器スターライト!」
ここに自分の内側からのメッセージそのものの内容が載っています。
どれくらいの時間か忘れました。じっとそのページを眺めている自分。
ついに自分の内側の導きの元、求めていた物に行きついた感覚でした。
静かなざわめき。静けさと共にある情熱。
その後、母に相談。
「この機械を買いたいのでお金を貸してほしい。」
この機械と共に、人に施しを行う道に進みたい。
母はまるで分っていたかのように、それを了解してくれました。
こうして私は、ようやくスタートラインに立つことができました。
32歳にして訪れた大きなターニングポイント。施術家としての自分。
外側ではなく、内側の導きと共に繰り広げられ、訪れた分岐点。
これが今の私の始まりでもありました。
『経験にこそ価値がある』
この仕事を始めてから様々な事がありました。様々な経験をさせていただきました。
その辺はさらに長くなりますので次回以降に譲りますがかいつまんで。
施術の在り方の重要性
病気と健康について
病気とパーソナリティ、生き方について
身体と感情の関連について
経絡とホメオパシーについて
施術者としての立ち位置と役割について
概念の変換と時間軸の事
様々な気付きがありました。クライアントさんから教わった事ばかりです。
そしてその1つ1つが今の私の施術家の在り方として蓄積されてまいりました。
ここからがとても重要な器官でもあります。
いずれ、その辺の体験、経験、気付きなどを是非シェアできればと思います。
こんな取り留めもなく、目的も見当たらず、自信もなく、とりえもなかった自分が、自分の内側を知り、探求する事で導き出された人生の命題。
まだそれも通過点に過ぎないのですが、自分にもその様な道があり、可能性がある。その事はとても自信につながり、生きがいにもつながりました。
使命なんてその様な大きなことではありません。何かを成し遂げるとかその様な事でもありません。
ただ真剣に思い、探求し、導き出されたメッセージがあった。
それに従っただけ。
全ての発信源は自分であるという事を知るだけで、様々な事が開け、繋がり合う事を経験しました。
私たちそれぞれの中に眠る叡智。
そこに意識を向け、光を当てる。目覚める時が近づいてきているのかもしれません。
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